誉められる効用 (2011年7月29日)
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今、私はとても気分がいいのです。心が晴れやかで清々しい思いです。これからいろんなことに積極的に挑戦したいと思っています。少し自信が出来たように思います。何故だと思いますか?それは私がたくさんの人たちから誉められたからです。先日久しぶりにスピーチをしました。とてもナーバスになっていましたが、いい緊張感をもって話終えることができました。満足の出来るスピーチになりました。終わると同時にたくさんの人たちからお誉めの言葉を頂きました。それも身に余るほどのものでした。私はかつてこれほどたくさんの人たちから直接、面前で誉めてもらったことがありません。面映ゆい感じがしましたが、素直に嬉しかったです。これからもっと頑張ろうという気持になり、何かもっとやれるという自信ができました。スピーチの後、何点か改善点を指摘されましたが、それも素直に聞くことができました。これが誉められることの効用なんだと初めて実感しました。
私が子供のころ、小学校で先生が生徒を誉めていた場面をあまり記憶していません。私自身先生にあまり誉められた記憶がありません。生徒個人を誉めることがえこひいきと取られるのをいやがってのことだったのかもしれません。私の息子は小学校では先生方に可愛がって頂きましたが、中学ではひどい状況のようでした。彼の担任がことごとく彼に批判的だったようです。高校はハワイの学校に進学しました。ハワイでは多くの教師が彼を誉めてくれました。息子は誉めて育てられ、よく勉強をしたようです。お陰で彼はシアトル大学へ進みこのたび卒業しました。親父である私も息子を誉めたことを記憶していません。叱ったり怒ってばかりだったと思います。彼がハワイへ行った一年後に初めて息子を誉めました。
かつて私は愚かな経営者でした。社員とのコミュニケーションが上手くとれず、独りよがりな経営をしていました。私は社員を誉めたことが無かったのです。誉められることの効用ということが少しでも分かっておればと悔んでいます。会社において社員のモチベーションを上げ、意欲とやる気を喚起させ、業績を上げることが出来るとしたら、経営者は社員を誉めるべきです。そのうえで、言うべきことを改善点として指摘するなら、社員は素直に耳を傾けるでしょう。社員を誉めることで、会社のムードが変わり、業績が良くなるのなら、やらぬ手はないでしょう。
煽てるという言葉があります。煽てるという言葉には、何かをしてもらおうという下心があってしきりに相手を誉めることだといいます。私は煽てられると気分がよくなり喜んで、木に登ります。経営者の場合、社員を誉めるとき、煽てることであってもいいのだと思います。煽てられ、気分をよくして、一生懸命仕事をして、業績が上がるなら、双方ともこんないい事はありません。
人を誉めることはほんとうに難しいことです。意識をして相手をよく観察していなければ出来ません。そして辛抱強く愛情をもってやらねば出来ません。しかしその効用はとても大きなものです。ひとりの人間の人生を大きく変えるほどの力があります。