ユーロの風が吹いている (2012年3月20日)
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今日、以前取引があったあるメーカーの社員が訪ねてくれました。
珍しく夫人同伴で来てくれました。
その会社は業界では小さい方ですが、数年前に外資と合弁して以来、小粒でピリリと引き締まったいい会社になっていました。
財務内容はもちろんながら、なかでも特筆すべきは営業利益率が格段によくなったことでした。外資ならではの合理的でドライな数々の施策を次々に打っていました。
日本人経営者では出来ないであろうリストラ策をどんどんやっていました。私のなじみの社員たちもたくさんいなくなっていました。
取引も条件がだんだん厳しくなっていました。取引が無くなった会社もたくさんあったようです。私の会社もそのひとつでした。
ところが、今日、久しぶりにあった社員が言うのに、この3月であの外資が撤退するというのです。私は耳を疑いました。特にこの2,3年は今までになくたくさんの利益を上げていたので俄かに信じられない話でした。
ましてや、その外資はその業界の世界一の企業なのです。寝耳に水とはこのことです。
実はその外資は本社がヨーローッパにあります。今、ユーロ経済の悪化は我々の想像以上のようです。昨日の日経新聞にも出ていた通り、ユーロの銀行が一斉に貸しはがし、貸し渋りに入ったようです。その外資の事情もこれによるものと思われます。
今の時代いつ何が起きても不思議ではありません。このメーカーの社長も外資と組むことで生き残ろうとしたのですが、これからというところで見事に梯子を外された格好です。
会社という組織は、トップ次第で大きく変わります。良くなるには相当の努力と知恵と長い時間が必要です。それに対し、悪化するのは驚くほど速いものです。
ユーロの風があまりにも身近なところへ吹いてきました。
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向こう3年で、子息に継がせたい社長
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大石 吉成
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