ヤクルト、ダノン 攻防 (2012年11月9日)

ビジネスコラム

発端はヤクルト本社が私募債「プリンストン債」

により、多額の損失を出したことに始まります。

当時、経営トップがダノンからの出資を決めました。

経営危機を外資の出資で切り抜けようとしたのです。

2000年ダノンは5%の出資を引き受けて以来

現在20.181%の株式を保有しています。

本年5月、現状維持条項が切れ、ダノンは36%まで

買い増すことができるのですが実行していません。

両社の協議が水面下で進められていると思われます。

一方、仏食品大手のダノンはヨーロッパ経済危機の影響

が大きいようです。

特にスペイン、イタリアが不振で、営業利益率が下方修正

されています。

そんななか個人投資家ベルツ氏がダノン株を1%取得しました。

英ファイナンシャル・タイムズ紙によると氏はコスト削減策や

オペレーション変更を申し入れ、営業利益率を2015年までに

15.1%とするよう求めています。

また、余剰キャッシュをすべて自社株買戻しに充てるようも求め

ています。

総資産ではヤクルト本社の8倍の規模を持つダノンですが、現状

は非常に厳しい環境にあるようです。

ヤクルト株残り80%40億ユーロ見当はダノンにすれば可能な

金額ですが、時期が悪いと言わざる得ないのではないでしょうか。

当面は現状の株式保有のまま、さらなる業務提携の具体策が

話合われるのではと予想されます。

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マーケティングコンサルタント
ビジネスデザイナー・エグゼクティブコーチ

         大石 吉成

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