創業と継承 (2013年9月19日)

ビジネスコラム

創業と継承、どちらが難しいのとよく聞かれます。

私はいつもどちらも難しいよ、と答えています。

世の中では創業者はとても苦労して会社を創りあげてきたから偉いんだ、そして継承

者は先代が敷いたレールの上を行くだけだから楽だといわれます。

私はその両方を経験していますのでどちらの大変さもよくわかります。

創業と継承、比較することではなく、まったく違うことだと思います。

それ故、その価値観もまったく違うものですから比較しようがありません。

どちらも大変でどちらも大切なことです。

創業者は自分の人生の仕事としてゼロから事業を創りあげる道を選んだのですから、

それに伴う人、物、金で苦労を重ねてきました。

自分の事業を立ち上げ育てる喜びと同時に様々な困難に出会います。

事業経営が人生そのものだという人も多くいるでしょう。

一方、継承者は先代が創った事業、会社を守り継続する責任と義務からスタートし

ます。

まずは現状維持を求められ次にさらなる発展、成長を期待されます。

普通どんな組織にも保守的で抵抗勢力になる人たちが必ず存在します。

先代が創った会社を引き継ぐうえで大きな障害になるのはその人たちです。

継承者が社内の人心を掌握するのに必要なエネルギーは相当なものです。

これは創業者にはないストレスのひとつです。

企業にとって創業と継承、どちらも必要不可欠です。

どちらも本当に難しく大変なことです。

どちらが楽かなんて決して言えるものではありません。