身内社員、古参社員と向き合う覚悟 継ぐ者7つの覚悟 その6 (2013年10月16日)

ビジネスコラム

~身内社員、古参社員と向き合う覚悟~

私が親父の会社に入社したとき、従兄弟が二人と姉婿が一人いました。

二人の従兄弟は一人が営業の責任者でもう一人は配送の責任者でした。

姉婿は特に決まったポジションではなく何でも屋、便利屋としてみんなに使

われていました。

もともと親父のワンマンな会社でしたから、これといった組織があるようでないような、

なんとも表現の仕様がない会社でした。

親父の個人商店の域を出ていませんでしたが、当時25人の社員がいて、年商が

20億円ありました。

二人の従兄弟は他の社員からすれば上司でしたが、どう見ても慕われたり、信頼

されたりするような人間ではありませんでした。

社長が叔父ということで親父が甘やかしたこともあり、とても人の上に立てるような

人格ではありませんでした。

一般社員は二人が身内ということで先から諦めているようでした。

入社した私が二人の従兄弟をなんとかしなくてはと思ったのも当然のことでした。

しかし、入社したての私に何が出来る訳でもありません。

せいぜい親父に文句を言うのが関の山でした。

ようやく社長になってから彼らの処遇を変えていきましたが、ずいぶんと時間が

かかりました。

後継者が社長になって戸惑うことのひとつが身内社員と古参社員の扱い方でしょう。

彼らが新社長の抵抗勢力になることが往々にしてあります。

本来、前社長が何とかしてくれていればいいのですが、えてして問題は先送りされて

います。

その対処の仕方ですが、ケースバイケースであるのは当然ですが、ひとつ言えるこ

とは決してその問題から逃げてはいけないということです。

正面から正々堂々と向き合い、よく話し合い事に当たっては是是非非で行う事、

これが原則、守ってもらいたいことです。

必ずいる身内社員、古参社員と正面から向き合う覚悟をしておいてください。