「ブレイクスルー思考」について (2013年5月27日)
ビジネスコラム先日、ある会合で中京大学名誉教授日比野省三氏にお会いしました。
氏は日本で「ブレイクスルー思考」という考え方を広めようと長年取り組んで
おられます。
氏の言う「ブレイクスルー思考」は1989年南カリフォルニア大学名誉教授
ジェラルド・ナドラー氏との共著において初めて世に問うたものでした。
本書は当時、世界各国にて翻訳されミリオンセラーとなっています。
ブレイクスルー思考の源流は1959年ジェラルド・ナドラーにより提案された
「ワークデザイン」という概念になります。
早稲田大学を中心に日本に紹介され、多くの名だたる日本企業へと浸透して
いきました。
当初は企業の生産現場において、特に生産システムや品質管理の分野で活用
されました。
その後、ワークデザインの道具から人間の目的行動を中心に据えたアプローチ論
となり1989年のブレイクスルー思考の確立へと進展しました。
ブレイクスルー思考の基本概念をロサンジェルスにあるブレイクスルー思考
センターのホームページから意訳抜粋したものを下記に載せてみます。
直観的リーダーシップ開発
多くの人は計画・デザイン・発展・改善をする際、またはシステムや解決法を
産み出す際、科学的基礎に基づいた思考を規範とする教育をうけている。
このような還元主義的規範は、事実を採集するだけの考え方に導く。
還元主義的手法は選択の余地を狭めるだけなのだ。
「その問題が解決される必要性があるか」ということさえ疑う余地も与えられない。
還元主義的な考え方により、未来志向的行動を起こす機会を自ら手放すことに
さえなりうる。
我々センターの40年間にも及ぶ調査結果によると、直観的リーダーシップを
備えてる人間が、問題を解決するために自分自身に問いかける質問は、以下の
5つである。
1. 自分たちが解決すべき問題に取り組むことで係わるひとたちとは誰か?
2. 自分たちが達成しようとしている目的とは何か?
3. その目的の目的とは何か、そしてまたそれの目的とは?
4. 自分たちが選んだ最終的な目的を達成するための最適な解決策は何か?
5. 現時点で思いつく解決策のなかで、問題の将来的な解決につながるもの
は何か?
私たちがよくし慣れている問題解決法は問題の原因を分析し追究していく
スタイルですが、ブレイクスルー思考を使った問題解決の仕方はまた違った
アプローチをします。
その基本となるのが上記の5つの質問です。
上記の5つの質問を自問し続けることでこれまでの解決策とまったく違う
解決策に至ることができます。
次回、事例をお話しします。
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ビジネスデザイナー・エグゼクティブコーチ
大石 吉成
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