ひとの目が気になる (2013年5月18日)

ビジネスコラム

~後継者はつらいわ~

日本には約150万の会社があるといわれています。

日本には150万人の社長がいる訳です。

そして150万人の後継者がいることになります。

かつてわたし自身、後継者でありました。

後継者のつぶやき聞いていきましょう。

親父が経営する会社に入るとまず気になるのがひとの目です。

社員の目、取引先の人たちの目、そしてまわりのすべての目が

気になります。

社員は自分のことをどう思ってるんだろう、取引先の人たちは自分を

どう評価してるんだろうとか、とても気になります。

これは裏返してみると、社員には我が社の後継ぎは若いけれどなかなか

話が分かるいい奴やないかとか、取引先の人たちにはあの会社の後継ぎ

は年は若いがなかなかしっかりして誠実そうで好感が持てるな、なんて

思ってもらいたいという切ないほどの後継者の思いがあるからです。

そんなにまわりを意識しないでもいいのにと思うのですが、ついつい

気になってしまいます。

わたしが親父の経営する会社に入ったのは24才のときでした。

一浪一留して大学を出たわたしは一日も早く一人前の経営者になろう、

一日も早く親父の跡を継ごうと思っておりました。

そんなわたしの焦りもあり、なかなか社員と上手く付き合えませんでした。

どうしたら社員のみんなに認めてもらえるだろう、どうしたら社員のみんなと

親しく話せるんだろうと悩んでいました。

社員にすればわたしが入社したことは知っていても、彼らにとってそれほどの

関心事ではありません。

彼らには彼らの日常業務があり、特にわたしと直接仕事でかかわりが無ければ

それほど注目することもないのです。

わたしだけが不必要に自意識過剰になっていました。

当然、社員のみんなとぎくしゃくとした関係が続きました。

そんなある日、そうだこれは仕事で実績を積むしかないなと思いはじめました。

そう思うと少し気が楽になり、日々の仕事に集中するようになりました。

特に営業をし始め、多くの取引先とのかかわりができ売り上げ実績が上がり

始めると何となく会社のなかでの自分に自信のようなものができました。

そうすると不思議なもので、社員のみんなとも少しずつコミュニケーションが

取れだしました。

そのとき初めて、必要以上に社員の目を気にしていたことに気付きました。

入社以来続いていた独りよがりの奇妙な緊張感がようやく消えていきました。

後継者に人の目を気にするなと言ってもなかなかできないものです。

それも後継者としての他の人にはできない経験の一つです。

悩んで悩んで気づいていく、この繰り返しが経営者に至る道です。

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         大石 吉成

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