拙速に新規事業をしない 新経営者への7つの戒め その1 (2013年10月29日)

ビジネスコラム

~拙速に新規事業をしない~

満を持して新社長になった息子が、これでやっと自分の思う通りにできると考え、それまで温めてきた事業案件を実行しようとすることがあります。
社長に就任して間もないとき、まだよく人心を把握できていないときに新しいことに手を出すべきではありません。

後継者としての期間が短く比較的若い社長に多いことかもしれません。
長い時間を親父の下で仕事をしてきた後継者の方が逆に慎重になることが多いように思われます。
できれば新社長になった1年間は派手な動きをしないで、じっくり社内外の様子を
見てください。

社内の人の動きや業務の流れなどを現場に足を運んでよく見てください。
役員、社員もあなたが何をしようとするのか興味深々です。
しかし今までにないことをしようとすると必ず不満を感じ無条件で賛成することは
ありません。

そのうえあれもこれもと新しいことをやりだすと不信感を抱かれてしまいます。
事は拙速を嫌うと言います。
ここはじっくり始めることが肝要です。

取引先や特に金融機関は新社長の言動に注目しています。
彼らもまた急激な変化を好みません。
彼らはまず先代の踏襲を望んでいます。

先代と同じように取引きができるかどうかを見ています。
彼らは新社長の人となりや力量を見極めようとしています。
そしてしばらくの間、取り引きの量を控えて様子を見ています。
そんなときに新社長が派手な動きをし始めたら、まず彼らは警戒することで
しょう。

金融機関に至ってはもっと厳しい対応をします。
新社長の力量が分かるまで追加融資を控えたり、金利を上げてきたりなどし
ます。
まして新規融資は控えるでしょう。

新規事業に資金が必要な場合は非常に難しいことになります。
社長就任1年目はあわてずじっくり行動しましょう。