経営者の「運気」を考える
ビジネスコラム 今日は「運気」の話をしよう。人は運気が上がってきたとか運気が落ちてきたとか感じることがある。そのようなときは本人だけでなく他人から見ても分かるものだ。最近あの人の運気が良くなっている気がする。この頃あの人の運気が落ちてきているように感じる。などといったことが分かることがある。
経営者のみならずすべてのビジネスパースンにとってこの「運気」というものが実はとても大切である。経営者が運気が上がってきたと思うときは会社の業績が上向いていることが実感できている。サラリーマンを含めビジネスパースンが運気が上がっていると思うときは彼らのパフォーマンスが上がっていることに他ならない。
これとは逆にそれぞれの運気が下がっているときは経営者なら業績が思わしくないときであり、その他のビジネスパースンならそれぞれのパフォーマンスが落ちているときである。運気が下がっているときは何をやっても上手くいかず、すべてのことが空回りをしているように思われるものだ。
そのような「運気」ならば下がっているより当然上がっている方がいいに決まっている。にもかかわらず人は普段あまり自分の運気を気にしてはいない。それどころか自ら自分の運気を下げることを平気でしている。そのうえ運気が下がっている人が更に運気を下げることばかりしていることに驚かされてしまう。
では、「運気」はどのようにすれば上がり、何をすれば下がるのだろう。実は多くの人がその答えを知っている。それは、それぞれの人の「言動」次第であるということだ。要するに人は「運気」が上がる「言動」をすれば「運気」が上がる。また、「運気」が下がる「言動」をすれば「運気」が下がる。
「運気」が上がる言動とは誠実、謙虚、正直で前向きで明るい言動のこと。「運気」が下がる言動とは不誠実、傲慢、不遜、独りよがりで何事にも否定的な言動のこと。
単純で明解なことだ。それが分かっていながらできない。人は兎角、好調な時に運気を下げる言動をしてしまう。不調な時に更に運気を下げる言動をしてしまう。また、不調時に運気を上げる言動をし始め運気が上がり始めたにもかかわらず、運気を下げる言動をしてしまい、またしても運気を下げてしまう。
かつて事業経営者をしていた頃の私がそのようであった。会社の売り上げが右上がりを続ける最中にあって、私の言動が自分の運気を下げていた。これでもかというほど次から次へと自分の運気を下げる言動をし続けていた。経営者として傲慢で不遜極まりない言動を取り続けた。そしてとうとう会社の売り上げが減少し始めることになった。
概して、運気を上げるのは難しいが、運気を下げるのは簡単だ。それだけに折角運気が上がり始めたと感じたなら大事にして欲しいと思う。私が顧問先を視る際、経営者の「運気」を視ている。経営者が運気を上げているか下げているかに注目している。経営者が運気を上げる言動をしていたなら褒めたたえ、運気を下げる言動には注意喚起に努めている。