親父の覚悟 (2012年3月25日)
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事業継承の主役は後継者です。
一日も早く立派な経営者となることが目的です。
しかし、実はもう一人の重要な役割を持つ準主役がいます。
そう、譲ろうとしている現経営者です。
経営者は後継者にバトンを渡そうと決めたときから、心の準備を始めなくてはなりません。
経営者にはたくさんの未練やしがらみがあります。
長年、企業のトップであった経営者には、地域においてもそれなりの地位や名誉があります。
それに伴う、特権やステータスもあるでしょう。
そして、企業の規模にかかわらず社内において権力を持っています。
経営者としてのさまざまな人間関係もあります。
そういったすべてのものを手放さねばなりません。
経営者の地位を去ることでの喪失感、無力感、寂寥感などを感じます。
それら起こるであろうすべてのことを理解したうえで、後継者に譲らねばなりません。
そこには心づもりと覚悟が必要です。
ここで譲ろうとしている経営者がその対処を誤ると大変なことになります。
事業継承そのもが危うくなります。
経営者が心をのこしたまま、中途半端な引き継ぎをした場合の失敗例はたくさんあります。
そのひとつがこのたびの王子製紙の会長ご乱心の話でしょう。
あれこそ事業継承失敗の典型事例です。
後継者の資質と育成の問題もあります。
しかし、それ以上の問題は前経営者の父親にあります。
彼は息子に譲った後も、何ら変わらぬ権力を持ち続けていました。
結果、息子は現状認識を誤り、社会的制裁を科せられました。
父親は自分が息子を駄目にしたとは今も思っておらず、相も変らぬ言動を繰り返しています。
故に、経営者の覚悟が必要なのです。
会社を去り、次の自分の人生を見つけねばなりません。
仕事が好きなら違う場所で仕事をすればいいのです。
趣味がたくさんあれば楽しめばいいのです。
大事なことは、経営者も後継者もともに事業継承を新しい門出にすることです。
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向こう3年で、子息に継がせたい社長
経営者と後継者のコーチだからできる
事業継承コンサルティング
ビジネスデザイナー・エグゼクティブコーチ
大石 吉成
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