Mへの手紙 (2)~これで生きるという覚悟~

敬天愛人箚記

Mへの手紙 (2)

前略

もう東京は師走の慌ただしさが漂っています。
貴方が大学時代過ごしたシアトルの冬は相当厳しかったようですが、ロスはどうですか。
そちらの冬も相当な寒さじゃないですか。
夫婦共元気でやっていますか。

来年7月にお姉ちゃんのところに初めての子供を授かります。
それを聞いた貴方が来年もまた帰国すると言ってくれたこととても嬉しく思います。
姉弟みんな仲良く出来ているのがとても幸せです。

さて、先日貴方が言っていた日系企業Z社の件です。
この間から貴方が何度か訪問させて頂いているということでした。
まだ取引が出来ていないけどこれからも通うのだと言っていましたね。

昨日、ある会の忘年会がありました。
私のコンサル仲間が集まっていました。
そのなかにZ社のOBがいることを思い出しました。

そこでその彼に「私の息子がロスにいるのだけれど、Z社のアメリカ支社にこの間から
出入りさせてもらってるらしい。ついては貴方の知り合いがアメリカにいたりしないだ
ろうか。もし誰かいられたら私の息子を紹介させて欲しい」とお願いしてみました。

「確か私と同年のものがいるはずです。Hさんというのですが、現在はひょっとすると支
社長をしているかもしれません」と言っていましたので、
「ぜひHさんに私の息子のことメールで伝えて欲しい」と頼んでみました。

この件で彼からなにか言ってきましたらすぐに貴方に連絡します。
人の縁とは不思議なものです。
その縁を大切にしていかなければいけませんよ。

貴方も知っての通り、お父さんはこれまでたくさんの会社と取引をしてきました。
そのなかでたくさんのサラリーマンと出会ってきました。
人格が優れ尊敬に値する方にも何人か出会いました。

反面、たくさんのダメな出来の悪いサラリーマンを多く見てきました。
もちろん自社にも出来が悪い社員が幾人かはいました。
身贔屓があるのはもちろんでしょうが、自社の社員の多くは普通レベルよりは上であった
と今も自負しています。

お父さんが言う出来が悪いサラリーマンというのは次のような輩です。
貴方の会社の人たちを思い浮かべてみてください。
身近なところにいるかもしれません。

・自分のことしか考えない
・何も決められない
・協調性が無いのを個性と勘違い
・責任感がまるでない
・言い訳の達人
・やたら人の悪口を言う
・何事も最後までやらない
・すべて他人事
・自分に都合がいいことだけを報告
・他人の言うことは聞かない
・上司、同僚の足を引っ張る
・出来る部下の芽を摘む
・出世することだけが目的
・目立たないことを目指す

などなど、まだまだ数え上げればキリがありません。
よくこれだけダメ社員を言えるものだなと思っているでしょうね。
すべてこれまで実際にお父さんが出会ったサラリーマンたちですから仕方ありません。

貴方が決してこのようなダメ社員になることなどあり得ないとお父さんは確信しています。
何故なら貴方には高い志があるからです。
いつの日かアメリカで事業を起こすという志があるからです。

今日の最後にもうひとつ貴方に話しておきます。
出来が良いサラリーマンと悪いサラリーマンとでは何がどう違うのかということです。
それは単純なことです。

「覚悟」があるかないかということだけです。
自分はこの仕事で生きていくのだという「覚悟」があるかどうかなのです。
その「覚悟」の有無が大きな違いを生むことになるのです

ですから貴方も今の仕事で妻と家庭を支えていくという「覚悟」を持って仕事に臨んで
ください。
結果は自ずとついてくることでしょう。

貴方が貴社のトップセールスマンとなり年若くして貴社のエグゼクティブメンバーとなる
日が近い将来くることをお父さんは信じています。
そのうえで貴方が近い将来自分の会社を持つであろうことも確信しています。

今日も少し長くなりましたが読んで頂いてありがとう。

お父さん